青島地域で発見されたフカノキの群落について

                    2014年3月16日 宮崎の自然合同研究発表会資料から

                                                 宮崎植物研究会 

1 はじめに

  これまで、日南市南郷町が群落としての北限とされていたフカノキの大きな群落が、
 宮崎市の青島地域にあることがわかりました。

  宮崎植物研究会では、群落の現地調査を行い、保全に向けたデータを収集しました。 

 

2 フカノキとは?

 ○分類:ウコギ科 フカノキ属 Schefflera
     heptaphylla (L.) Frodin

     近縁の園芸植物にシェフレラ(通称カ
     ポック)がある

 ○形態:常緑高木 通常は樹高10m
     最大では樹高15m、直径1mになる

          葉は7~10枚の小葉からなる
     海岸付近の林に生育(耐凍性-3℃)

 ○分布:九州南部~沖縄の日本や、台湾、中国
     大陸南部、インドシナ・フィリピン
    
 → 北限地:東側=宮崎県虚空蔵島
     西側=鹿児島県甑島

 

3 発見とその後の経過

 ○2013年 6月19日  青島パーキングにて発見

  ○2013年11月16日   宮崎植物研究会の観察会で群落を観察

  ○2014年 2月 1日  宮崎植物研究会の臨時調査会で群落調査

 

4 自生状況

 表-1 調査結果                         表-2 樹高1m以上の胸高直径別集計

 

  合計

 

 

 

 

 

 直径区分

本数()

平均樹高()

 

樹高1m以上の本数(本)

樹高1m以下の稚樹(本)

樹高1m以上の平均直径(㎝)

樹高1m以上の最大直径(㎝)

樹高1m以上の平均樹高(m)

  243

   369

  10.1

    41

   5.3

 30㎝以上

 3020

 2010

 10㎝未満

      8

     40

     58

    137

      8.4

      8.1

      7.5

      3.3

 

  樹齢は不明だが、50年以上と推定

                                            

5 保全に向けて

 ○フカノキ群落の北限となる貴重な林であり、地域の資源として保全したいものです。
  群落の上部からの眺望は素晴らしく、群落内に遊歩道を付けると良い観光地にも
  なると思います。
  しかし・・・
 ○現地は民有地で、地権者がたくさんいます。また、周囲のスギ林には伐採計画が
  あるらしく、今のところ保全に向けた方策がありません。
  貴重な群落であり保全したい。群落内に遊歩道を付けると良い。

  眺望も素晴らしい観光資源。

  しかし・・・

  ○現地は民有地で、地権者が多い。スギ林の伐採計画がある。